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★★★★★ 東京長高金鵄会メールマガジン2014/11 ★★★★☆
東京長高金鵄会は関東在住の長野高校出身者による交流の場です。同窓生
の交流・親睦のため定期的に講演会を企画し、メルマガを配信しています。
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【1】2014年 秋の芸術鑑賞会 開催報告
【2】「秋の芸術鑑賞会」を聴いて 山西 佳代美 (高校24回)
【3】版画家 町田えいめい氏 作品「オホーツク」に想う
【4】2014年 総会・講演会 開催案内
【5】後 記
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【1】 2014年 秋の芸術鑑賞会 開催報告
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今回は趣向を変え、同窓生の音楽家の皆さんによる演奏会を企画し、下記のとおり
行われました。
日 時:2014年9月12日(金)18時〜
会 場:コートヤード・マリオット 銀座東武ホテル
<出演者>
山田 彰一 氏 ピアノ (24回)
東京藝術大学器楽科を経て、1978同大学大学院音楽研究科修士課程修了。
1982〜1983年西ドイツ・デュッセルドルフ市に留学。修士(音楽)。
1982〜1983年ラインラント州立音楽大学 R.シューマン学院にて非常勤講師。
現在、武蔵野音楽大学准教授。
ピアノを山本昇、池本純子、安川加寿子、松浦豊明、M.マルティン・シュタイン、
A.ウェーバージンケ、G.ヴァシャヘーリの各氏に師事。
山上 貴司 氏 ファゴット (24回)
1977年東京芸術大学卒業。1979年同大学院修了。
ファゴットを霧生吉秀、故三田平八郎、アルベルト・ヘニグの各氏に師事。
現在、都立芸術高校、長野県小諸高校常勤講師。
今瀬 康夫 氏 ホルン(25回)
国立音楽大学卒業。ホルンを谷中甚作、黒沢勝義、大阪泰久、千葉馨の各氏に師事。
大学入学と同時に演奏活動を始め、国内のオーケストラの他、2011年ウラジオスト
ク国際映画祭、同時期開催のウラジオストク・ビエンナーレ芸術祭、2012年カレリ
ア共和国国立劇場などにソリストとして招待されている。
平成音楽大学講師、ベルカント ジャパン合同会社 代表。
今回の演奏会をオーガナイズ。
山根 孝司 氏 クラリネット(賛助)
NHK交響楽団
長谷川 洋介 氏 オーボエ(賛助)
スタジオやカナダミュージカルカンパニーなどで活動
<プログラム>
下記の山西氏の寄稿をご覧ください。
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【2】 「秋の芸術鑑賞会」を聴いて 山西 佳代美 (高校24回)
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去る9月12日(金)の東京長高金鵄会は、「秋の芸術鑑賞会」と銘打って、現在、
音楽界で活躍されているOBの演奏を聴く機会を設けていただきました。
長野高校OB,OGの方々は各界において活躍されていますが、「音楽界」も例外では
ありません。思えば、金鵄祭音楽祭はホールを一日借り切って多彩なプログラムで
行われました。私は、24回生(S49年3月卒)で管弦楽班のOGですが、そのころ一緒
にクラブ活動をしていた中からもプロの演奏家が何人か出ています。今回はそんな
仲間が演奏してくれるということで、普段は東京金鵄会にご無沙汰の私も、これは
行かなければ、ということで出席しました。
プログラムは、OBである今瀬さんのホルン、山上さんのファゴット、山田さんの
ピアノのそれぞれの独奏と、最後にオーボエ、クラリネットを交えての室内楽でし
た。
・ホルン独奏 出田敬三:五木の子守唄ラプソディー
・ファゴット独奏 テレマン:ファゴットソナタ ホ短調 TWV 41:e5
・ピアノ独奏 シューベルト:即興曲 作品90-2 (D899-2)
シューベルト:ピアノソナタ イ短調 遺作 (D537)
・室内楽 ベートーヴェン:ピアノと管楽四重奏のための五重奏曲 変ホ長調
作品16
演奏会は、管楽器とピアノという組み合わせで、数ある室内楽の演奏会でもなかな
か聴くことができない、また、クラッシックファンであってもめったに聴くことのな
い希少なものでした。指導者としても活躍されている方たちですので、曲や作曲家に
ついてのお話も楽しく、演奏にはそれぞれの個性があふれて、期待どおりの楽しいも
のでした。
お三方はほぼ同年代で、会社員や公務員であれば定年を迎えるころですが、演奏家
としてはこれからますます円熟味を増していかれることでしょう。音楽家は、手先も
使い頭も使うので元気で長生きするようです(!?)。どうぞこれからもご活躍くだ
さい。
最後になりましたが、このような企画をしてくださった東京長高金鵄会に感謝申し
上げます。加えて勝手な希望ですが、ぜひ弦楽器の演奏会も企画してください。
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【3】 版画家 町田えいめい氏(12月講演会演者)作品「オホーツク」に想う
近藤 英一 (高校33回)
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齢18で長野を去った身に、雪は良い思い出しかない。冷凛とした冬の朝の静けさに
これはと思い窓を開けて目にした雪景色、有史以来の大事業のようなつもりで田んぼ
を横切りつけた足跡、轍をたどって自転車を漕いだ高校通学、いま思えば降雪の面倒
はすべて親にみてもらっていた平和な時代であった。
日展入選作として国立新美術館で展示されている町田えいめい氏(30回)の作品
「オホーツク」に、同じく18歳で母校を出て都会で暮らした氏の、雪に対する大きな
愛を感じた。薄く青空が覗く曇り空の下の流氷は光輝いている。手前の陸は日陰のコ
ントラスをもって描かれ、丈の長い枯れ草や、遠く開拓時代を彷彿とさせる廃屋まで
が配置されている。しかし、作者がその陸景色に寂しさを表現しようとしているので
ないことは明らかでである。中央手前から奥に描かれる小川は水青くゆるやかに蛇行
し、流氷を包む海面とともに液体の生の喜びを歌っているのである。雪景色に対する
愛がなければ、これほどまでに極寒の真冬のオホーツクに生を盛り込むことはできな
いのである。
雪と川は氏の好むモチーフである。同時に氏は宇宙すらも絵に閉じ込めてしまう空
間表現力を有している。今回のオホーツクの海を遠く臨む構図は、氏のその力を存分
に盛り込むことができた好例といえよう。
町田えいめい氏の作品は、12月7日まで国立新美術館(六本木)で開催される日展
で展示されています。版画は洋画の13,14室です。各部屋を順番にみていくと、版画
に切り替わったことは全くわからないでしょう。氏の作品一つおいて隣はジュディ・
オングの作品です。そんな現代版画もあわせてお楽しみいただけると思います。な
お、出品者特別割引券(通常1200円が600円)を御入り用な方は町田えいめい氏
(E-mail: machida@kisoh-seicho.com、携帯電話:090-9342-7073)まで連絡ください
とのことです。
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【4】 2014年 東京長高金鵄会 総会・講演会・懇親会 開催案内
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長野高校同窓 関東在住の皆様
拝啓 晩秋の候、長野高校ご卒業の皆様におかれましては、ますますご清祥のことと
お喜び申し上げます。さて、総会を下記の通りご案内申し上げます。お知り合いのご
同窓もお誘い合わせの上、多数のご参加をお待ちしております。
敬具
2014年11月
東京長高金鵄会会長 中村 健
記
講演会: 2階 芙蓉の間
【講演1】14時00分〜14時50分
「現代日本木版画」
<演者> 町田 英明 氏 (30回生)
日展会友、光風会会員、日本版画会審査員
NPO科学知総合研究所理事 気相成長株式会社代表取締役
【講演2】14時50分〜16時00分
「日本のクルーズ事情とクルーズの魅力」
<演者> 幡野 保裕 氏 (15回生)
アスカクラブ会長
(アスカクラブとは飛鳥Uのレピター御乗客の懇親会)
総会・懇親会: 2階 桜Aの間 16時〜18時
会 費: 10,000円(含む懇親会費、事務費)
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【5】 後 記
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自分がご飯をたべている分野でそれなりに認められるだけでも大変なことなのに、
世の中にはぜんぜん異なる分野でも同時に一流の才能を発揮されている方がいらっ
しゃいます。
驚きです。
思えば高校時代、部活や趣味に朝から晩まで打ち込んでいても、みなが羨むよう
な大学にするりと進学している人たちがおりました。
金鵄健児は多士済々、12月の講演会ではそんなお二方をお招きしてお話を伺い
ます。お楽しみに。
近藤 英一